本書に関連した社会の動向を紹介できたら紹介してみます
時事のニュースから 2014/05/31
「ハーマン、浴室暖房乾燥機8万台をリコール」(時事通信 5月30日(金)6時1分配信)
ガス器具製造のハーマン(大阪市)は29日、浴室暖房乾燥機約8万台の基板に発火の恐れがあるとして、リコール(無償修理)すると発表した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140530-00000006-jijc-biz
実際には、OEMで都市ガス会社の純正品として設置されているもののようで、8万台というのは新築の高級住宅では一般的になりつつあるということかもしれませんが、浴室を乾燥させるのにさらにガスを使うというやや転倒した横着志向の考え方を、自然の力なども利用したもう少し合理的な考え方に変えて行きたいところです。
・浴室のラジエータ
ラジエータは湿気や水をかぶる場所にも適した暖房方式で、欧米では浴室にも設置されています。これは、湯船にお湯をためる場合と、シャワーだけで済ます場合とのいずれの場合でも効果を発揮すると考えられます。
浴室に暖房がない場合は、浴室を温める熱源はお湯だけなので、どうしても逃げていく湿気よりも立ち上る湿気の方が上回ります。そこで、昨今は浴室の乾燥機などというものもあるそうですが、ラジエータは浴室を適度に乾燥させる効果が期待でき、中の温水よりも高温になることはないので、安全にいろんなものを乾かすことができます。
浴室でシャワーだけを使う人も増えているそうですが、寒い中でシャワーを浴びると、どうしても余計にお湯を使うことになりますから、ラジエータで浴室があらかじめ温められていれば、全体的に省エネになる可能性が高いと考えられます。(本書p462)
欧州では浴室の壁も漆喰などで塗られ、その前にラジエータが設置され、基本的には浴槽以外には水滴がかかることはありませんが、洗い場を持つ日本の浴槽の場合でもラジエータの設置により室温と壁の温度を高めに保つことができれば、後は夏でも冬でも換気をすることで、結露に悩まされることはほとんどなくなるはずです。
そのほか、
・トイレのラジエータ
欧州ではトイレにもラジエータが配置されています。トイレの場合も換気が課題で、かつての日本家屋の自然に外気が流れて換気されるトイレは大変に寒く、高血圧などの持病を持つ人々にとっては危険な場所でもあったようで、最近では便座にヒーターがついていますが、要は常に換気しても冷たい箇所がないようにすることが肝要で、その意味でもラジエータの設置は効果的であると考えられます。(本書p463)
ラジエータの設置のほか、暖房便座や温水洗浄の熱源にもラジエータ内の温水との熱交換が利用できれば、全体として使用電力は節約できるはずです。
YKKのCMから 2014/05/18
ちなみに、日本に多いアルミなどの熱伝導率の高い金属を使った窓枠は、熱の逃げ道である「熱橋」として作用してしまうので、せっかくの高い気密性が生かされていない可能性があります。現状では、防火などの点で木製の窓枠には否定的な意見もあるようですが、大きなホールや公共施設などでも無垢の木を使う方法が存在し、火災の際に有毒ガスを発生する新建材や接着剤に比べると、むしろ安全であるとも言われますし、断熱性能の高い窓枠の研究は、二重ガラス化などよりも重要な課題になるはずです。(本書p457)
アルミ押し出し材が一般的だった窓枠も、樹脂製で断熱を高めたものに変わりつつあるようです。
大和ハウスの広告から 2014/05/17
facebookの記事なので、アクセスは限定されますが、とても判り易い図になっています。
最近のオフィスビルでは、南側の窓に装飾をかねたルーバーが付くものも増えてきました。